ラスボスってなんだっけ? と考えた話。 今まで私はパズルとかパズルとかあと落ち物パズルとか 沢山のゲームを作ってきたんですが、 どのゲームでも最後のステージは なるべく 「ラスボスらしい」ステージを用意しようと心がけてきました。 この「ラスボスらしい」というのは、ただただ難しいだけじゃなく 遊んだ人が なるほど と納得がいくような 何かがちゃんとあるべきだと思っていて、 「七人のハナコさん」でもラスボスがラスボスだと 思ってもらえるように色々と考えました。 ・屋上の花子さん(アジサイ) ツバキの項でも話ましたが、アジサイはプレーヤーにとっても、 そして このゲームのキャラたちにとっても 最も強力なボスになるよう注意してデザインしました。 アジサイのモチーフは「黄龍」なんですが、 この黄龍というのは「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」の 4つを束ねる存在だとか中心だとか言われている存在で、 今までの各キャラがそれぞれ「怒り」や「笑い」のような 特別な何かを持っていたのに対し、そうではなく 色々なキャラの要素をちょっとずつ混ぜ合ったような、 色んな側面のあるキャラにしました。 だからアジサイだけは笑ったり、怒ったり、悲しんだり、 退屈そうだったりと、シーンごとに表情が変わるようにしています。 ![]() アジサイのイラスト 唯一、「麒麟」とは真逆の存在としてデザインしたので 「すべて受け身」で話しているチューリップとは対象的に 勝気で好戦的で社交的な感じになっています。 実は初期シナリオではチューリップと姉妹という設定があったりして、 アジサイ姉ちゃんが いつも妹のチューリップを守ってたけど お姉ちゃんが死んじゃってから 妹はいじめられるようになったとか、 逆にチューリップがお姉ちゃんでアジサイはお姉ちゃんみたいに なりたくなくて今みたいになったとか 変な構想がたくさんありました。 これはアジサイ撃破後のシーンで二人の仲直りシーンを入れて 晴れて二人は天国へ...的なのをどうしてもやりたかったからなのですが、 これをシナリオに落とし込めるのが かなり難航しました。 結局 納得が行くシナリオを書くのが 今の自分には難しいと感じたので今回は諦めましたが ここは本当に悔しいので いつか是非リベンジしたいですね。 ![]() アジサイシナリオ 「雨の日に雷に打たれて死んだ」という設定は このゲームを作るとなったときに最初に思いついていたもので、 「雷を使って攻撃」というのがヴィジュアル的にも素敵だったので採用しました。 「コクミソ7(格闘ゲーム)」を作った時にも思っていたことなのですが、 私は普通の人間が特に理由もなくハドーケンみたいな飛び道具 使うのは 納得いかないと思ってるので、「雷に打たれたから雷が使える」ってのは 理由付けとしてとても良かったんですね。 後付けの「色々な電化製品が使える」という設定も面白かったのですが ゲームでは特別 活かしきれなくて この辺は残念です; デザインでは黄色と黒の縞々を基調としたツートンカラーの服と、 どこかに雷マークをとりいれようと思っていて 初期は前髪や髪飾りや服の模様にギザギザ模様を入れたりしていました。 ![]() 初期のデザイン 髪型についてはシルエットが立つという理由で 誰か一人はツインテールを入れようと思っていたのですが、 髪の色が金髪ならもう こいつしかいないとツインテ確定。 ―で、そのテールを途中で切って平行にずらしたら これ雷マークに見えるんじゃね?と思ってやってみたら これがかなりビビビと来たので決定稿になりました。 中盤で黒いピチっとした服の上に切れ込みのある黄色い服を 重ね着しているというデザインでおおまかに確定して、 イラスト担当のchiさんからの提案でスニーカーや小物類を調節しました。 ![]() 服のデザイン ちなみにマニーさんの描くアジサイはストレートのテールで、 chiさんが描くアジサイはカールがかかっているテールなんですが、 どっちも可愛いので どっちが正解とは決めてません。 どっちも正義。 ![]() ![]() 左がマニーさんデザイン、右がchiさんデザイン デザインはこんな感じで満足の行くものになったのですが この髪形をプログラムで動かすことが予想外の難易度で、 何度か試行錯誤したあとで最終的にアジサイ専用の マフラーシステムを作って対応しました。 ちなみに待機モーション中はツインテールが内側外側に 微妙に揺れる仕組みを入れています。 無駄かわいいですね。 ![]() ツインテール ステージは雷が降ってくるというのだけ決まっていて、 途中 雨も降らそうかと思いましたが画面汚くなったので止めました。 あとは chiさんから「ボス戦は月を赤くしよう!」という アドバイスをもらったのでボスの方だけ赤くしておいたんですが、 よくよく考えるとステージ1のストーリー絵で 赤い月が出てくるので、アジサイのステージだけ月が白いんですね、 あー、ごめんなさいこれ今 気づきました; ![]() ![]() 左がアジサイのステージの月、右がステージ1のストーリーに出てくる月 ボス戦はツバキ戦と同じようにプレーヤーが 何度も死ぬようにしようと考えていたのですが、 AIは他のボスとはかなり違う作り方をしました。 まず「ラスボスはパターン化されるべき」というのが (何故か)自分の中にあって、全ボス中 唯一ランダム要素がありません。 (他のキャラは攻撃の思考に入った時にランダムに攻撃手段を選んだりする) なのでアジサイに関しては特定の動作をし続ければ必ず同じ結果になり続けます。 でも固定の動きにはならないような工夫が入っていて、 なかなか攻略パターンを作るのは難しいと思います。 また、体力が減ってくるとAIが途中で2段階目に切り替わり、 なるべくプレーヤーから離れたり、攻撃を避けたりするようになっています。 ![]() ![]() アジサイ ボス戦 攻撃方法も雷マークのように途中でカクカク折れ曲がった切断攻撃と 放射状に拡散する射撃で かなり強力です。 切断攻撃は連続で3回 行うようになっていて、 一回目が「\/\」、二回目が「/\/」、 そして三回目がプレーヤーを直接狙う「\/\」になってます。 (※ キャラが右向きの場合) プレーヤーがアジサイから離れすぎている場合にも この三回目の切断攻撃をするようになっていて、 プレーヤーは これを避けるのがかなり難しかったと思います。 他にもツバキが よろけ耐性が2発までだったのに対して アジサイは4発 耐えられるようにしてあるので ゴリ押しがしにくく かなり苦しめられたのではないでしょうか。 アジサイのライフについても試行錯誤があり 開発終盤まで微調整を繰り返していました。 ツバキ戦は私がギリギリ勝てる程度のライフなのに対して、 アジサイ戦は私がギリギリ勝てないラインを参考にして そこから更にちょっと高い値が設定されています。 当初はこんなに難しくして大丈夫か、と何度も自問しました。 ネットの評判ではやはりアジサイ戦が難しい クリアできないというコメントをよく見かけますし、 ツバキ(ステージ5)までは すんなり来れた人が アジサイで数時間 手こずったというのも聞きます。 でもこれはリリの項でも言った「毒」というのを よく考えて設定した値です。 今作では今までより本当に本当にたくさんの人から ゲームの感想をいただいています。 イラストのchiさんのおかげかも知れません。 HSPコンテストで賞を取ったからかもしれません。 でも、「七人のハナコさん」のラスボスをこんな風にして、 私はとても良かったと思っています。 ![]() ![]() アジサイ ボス戦 ちなみに苗字の「桐生」は「黄龍」のもじりから、 名前は雷や黄龍に関する花をかなり探したんですがなかなか見つからず (「桑原」が唯一それらしいけど どう見ても苗字;) 結局 雨に関係する花まで解釈を広げて梅雨の季節の「アジサイ」にしました。 ちなみにちなみに、自分では全然そうは思ってなかったのですが、 chiさんから「アジサイちゃんてそうとうDQNネームだよね」って 言われたの相当ショックでした; |
Maruchu |