ツバキとアジサイはこの学校の花子さんたちのボスであり、 プレーヤーにとっても最も強力なボスになるようデザインしました。 この二人はステージ1の中間ポイントで 初めて出現する主人公たち以外のキャラクターで、 この後も何度も二人のシーンを挿入して印象に残るようにしました。 ステージ1の中間シナリオでは チューリップが最初の花子さんであると印象付けるため まだ花子さんであるとは明言せず、 「何だか分からないキャラが出てきた」ぐらいに止めておき、 ステージ2の終了後に再度登場して 「2人は花子さんで、今までの花子さんより強いらしい」 「アジサイは手強そうだ」「そしてツバキはヤバそうだ」 ―という感じで徐々に「こいつらは強い」という印象を与えるようにしました。 最後は実際に何度もプレーヤーを倒すようにレベル調整をしています。 ・音楽室の花子さん(ツバキ) ツバキのモチーフは「青龍」で、青龍は水を司る神みたいな感じなので 体が水のように自由自在な形をしたキャラにしました。 以前 作った「コクミソ7」というゲームで ミヤビ という 髪の毛を自在に操って戦うというキャラが出てくるのですが、 このキャラは製作中に色々と面白いコトが出来たので 今回のゲームにも欲しいと思い、似たコンセプトのキャラを入れました。 初期デザイン 死因は「一緒に洪水で流されたものはスカートの中から 自由に取り出せる」という設定が良い感じだったので 「洪水で飲まれたから」というのになりました。 企画段階では丸太とか工事現場のクレーンとかカーネルサ◯ダースが スカートの中からボトボト出てくると書かれているんですが、 時間なくて結局チェーンソー以外は使いませんでした。残念。 性格は「楽」で、落ち着いたというか やや退屈してる感じにしました。 「喜怒哀楽」の「喜」と「楽」は何が違うかという疑問があるのですが、 ここでは「肉体的な楽しさが喜、精神的な喜びが楽」と定義しました。 シナリオのノートでは「楽しくなってきちゃった」や 「私を楽しませてちょうだい」といった「楽しい」というワードを 繰り返し使うキャラというように設定していたのですが、 上がってきたストーリーイラストからは いつの間にか無くなってました; あるえー (`・д´・ ;) また、初期のシナリオでは特別 華子を狙ってはいなかったのですが、 chiさんからのアドバイスで「華子の体をほしがる」という設定を加えています。 初期デザイン デザインは体も髪も不定形なのであまり決めず、 竜の角を模した髪飾りがあるのと 髪の外側に龍の髭みたいな 2本のラインが出ている ぐらいにとどめました。 表情はまぶたが重そうな感じ、 服装は攻撃をスカートの中から出すために 大きく広がる感じのロングスカートにしました。 (正直 デザインはミヤビから大きく変わっておらず、 最後までほぼミヤビのままでした) 服装がワンピースなのは服の色を一色にしておくことで 少ない素材で色んなポーズに対応させるためです。 デザイン案 実際のゲームではほとんど使いませんでしたが 企画段階では本当に色々なバリエーションのポーズがあり、 首がとれたり手足がとれたり それを投げたりと色々でした。 もしまた懲りずに次を作る時があれば ちゃんと汲みたいですね。 ステージは水没した感じで常に左右に揺れていて、 足場も水流で すべるようにしました。 画面を揺らすシステムは元々アザミの開発中に作成したもので、 「みつどもえ」というアニメを見ていた時に 次女のふたばが長女のみつばを一本背負いするシーンがあるのですが、 そのカメラアングルがあまりにカッコよかったので どうにか再現できないか? と試行錯誤してできたものです。 完成したシステムはとてもよくできていたのですが、 スローモーションで継ぎ目なく動くカメラと カクカク動くセルアニメのシステムがとても相性が悪く (投げられている対象が画面中央で左右にプルプルして気持ち悪い)、 アザミに一本背負いさせるシステムはお蔵入りになりました。 それからしばらくは負荷チェック用に 画面をゆらすシステムをテストで入れていたのですが、 これが「超魔界村」みたいで面白かったので ステージ5に入れることにしました。 ボス戦は前述のようにプレーヤーが何度も死ぬようにしようと 考えていたので、ここからパターン化というのを考えました。 パターンがわからないと殺されるという、 格闘ゲームの「わからん殺し」ってやつですね。 そこでツバキの AI にはカウンター攻撃を入れました。 プレーヤーが攻撃しようとすると それを検知して それより早い行動でプレーヤーに近づいて攻撃します。 いままでの花子さんは攻撃を素直に食らっていたので プレーヤーはダメージが与えられないことに戸惑ったと思います。 逆にツバキはダメージ時に よろけ を耐える回数が 2回までと 他の花子さんより少なく設定されているので、 射撃攻撃で弾を置いておいてから切断攻撃をすると ツバキは攻撃を出す前によろけてしまい 安全にダメージを与えられるようになっています。 あとここからボスのライフもぐっと増えて、 持久戦みたいになってきますね。 ツバキのライフは私が実際に戦ってギリギリ勝てるぐらいの 値を参考にして設定しました。 きっと皆さんもギリギリ勝てたんじゃないでしょうか? (とりあえず 一発クリア楽勝〜 みたいなのは無いはず...) ちなみに苗字の「水地」は「蛟(みずち)」という 青龍になる前の段階の動物の名前から。 名前の「ツバキ」は首がボトって落ちる花だから、でしたー。 |
Maruchu |