七人のハナコさん : TIPS - SOUND DESIGN 2


音楽のお話 (その2)
ステージ3〜4編






ステージ3
 


凍てつく家庭科室 / $.¢! remix by Maruchu



この曲は「STELLARIS」というゲームのBGMリミックスですね。

「STELLARIS」開発時の曲名は「COLD」で、
オーロラが見えるような寒空の下を想像しながら作った曲でした。

北欧とかの、凍った湖と山と星空! ってイメージ。


オリジナルはパズル用でディープハウスを目指していたので
聴いてると眠くなるような曲だったんですが、
アクションゲーム用にドラムを足して攻撃的にしました。


この曲を作った辺りで、このゲームのBGMで使う
ドラムは統一してみたらどうかな
、というのを考えていました。

「マリオワールド」や「エルシャダイ」なんかで
主題となるメロディが色んな曲の中で何度も流れるのですが
例えばそれはドラムでも行けるのかな? ―という考え。

この試みは アザミ、キキョウ、ツバキ の3ステージ
(ステージ3〜5) のBGMで試しています。




アザミ戦
 


アザミのテーマ / $.¢! remix by Maruchu



これもリミックス曲ですね。
2002年にBMSで発表した「鬼神」という曲のリミックス。

元は和太鼓をドラムに据えたトランスで、
トランスなんだけど だんだんノイズが走ってきて
途中から曲が変わるという実験音楽でした。

その前半部分のリミックス。


「極寒」のステージから一転して、
炎が燃えさかる「灼熱」のボス戦です。


アザミは攻撃が通らない代わりに時間経過で死ぬボスで、
当初その耐久は 60秒ぐらいにしようと思ったのですが、
BGMが 80秒あったので、じゃあ曲が一周するまで待ってから死ぬように
―ということで +30秒の 90秒に
なりました。

サウンドの方面からゲームに対してアプローチするとか
シューティング以外じゃ なかなか珍しいケースじゃないでしょか。




ステージ4
 


迷える図書室 / Maruchu
キキョウのテーマ / Maruchu



「七人のハナコさん」ではステージ曲とボス曲が
つながった状態(対)になっている
ものがあり、
これは「朧村正」というゲームの影響です。

「朧村正」ではフィールド上に敵がいるときといないときで
曲のアレンジが変わるという仕組みが全体的に入っており
(サントラにも2曲ずつ収録されている)、
なんか beatmania のアナザー譜面みたいで面白いな! と気に入って
ハナコさんでもいくつか使ってみることにしました。

最終的にこの仕組みはステージ4(キキョウ)と5(ツバキ)の
2ステージに入っているのですが、
ステージの統一感が出てよかったと思います。


さてキキョウのBGMですが、ステージが迷路のような構成をしているので、
ラビリンスみたいなイメージで曲を作りました。

薄暗くてピンクや紫の鏡の迷路のようなイメージ。


ステージ曲がゆったりした短いループをぐるぐる聴かせる感じなのは
プレーヤーが音で記憶(ルート)をたどるのを防ごうという狙い
ですね。

何度も同じ場所を通ってくれる(迷ってくれる)ようにと願いを込めて。
(ひどい作者だ)


対してボス戦はテンポをすごく早くして焦らせるようにしました。

音がゴチャゴチャうるさい感じにしてあるのは
当初 無数の本で出来た巨大なモンスターを出そうとしていたためで、
トランスっぽい音とブ厚いベースで大ボス感を出そうとしてましたね。