七人のハナコさん : TIPS - CHARACTER DESIGN 2


キャラデザインのお話 (その2)
チューリップ編



キャラの第一印象は大事よね、ってお話。


さてモチーフが決まったので
次は各キャラクターがどういう役割を持ってるか、
どういう経緯で出来てきたキャラなのかのお話。

こっからキャラクターデザイン、レベルデザイン、
ステージデザイン、音のデザインなどなど
ゲームの色んなデザインの話をごちゃまぜにしながら話しますよー。






・トイレの花子さん(チューリップ)

このキャラはプレーヤーが最初に出会う花子さんということで、
初めからいわゆる「トイレの花子さん」のデザインで行こうと決めていました。

人間の印象ってのは一番最初に見たものが どうしても強くって
後の方になってもかなり大きな割合で残ってたりするので
プレーヤーが最初に会う「花子さん」が想像したイメージと
あまりにもかけ離れ過ぎてるとダメ
だと思ったんですね。

突然 全身金色のタイツで両手に剣持ってるボスが出てきて
「これがこのゲームの花子さんです」って見せられても納得しないし
このゲームがギャグなのかシリアスなのか分からなくなって
プレーヤーが混乱してしまうのでダメ;

だからチューリップは どう見ても「花子さん」って感じの
赤い吊りスカートのデザインにしました。


初期のチューリップ
初期のチューリップ(バケツなしVer)


頭のバケツは 生前トイレに篭ってる時に上から水をかけられた時のもので、
その後 びしょ濡れで泣いていた所をツバキが可哀想に思って
あの世に連れてった、というストーリーの名残。

企画段階ではボス撃破後に各ボスの死ぬ直前の記憶が
フラッシュバックして見える
っていうのがあって、
ボスの死に際の描写は結構 細かく設定されてましたが
残念ながら最後まで使わなかったので
今後このコーナーでお蔵出しして行くと思います;


チューリップのステージはストーリー上でもゲーム上でも
プレーヤーを混乱させないためのヘルパーとしての役割が大きくて、
色々とプレーヤーに余計なことを考えずにゲームを遊ばせる仕組みが入っています。

そもそもステージ1はチュートリアルが入ってるんですが、
例えば いまいちよく分からない主人公たちの関係を説明したり、
学校の構造を知らない主人公達が先を進むとき迷わないのは
チューリップの協力を得ているから という理由付けだったり、
ステージ上でもまんま道筋や攻略を教えてくれますね。

他にもステージ1では なるべくプレーヤーを混乱させないように
同時に2つのことが出てこないように細かく設計してました。


チューリップのストーリー
チューリップのストーリー


またいきなり主人公が嫌がる相手を斬り殺すとか印象悪いので
花子さんを斬り殺すのは実はステージ4まで誤魔化し誤魔化し回避してます。

ここの倒し方は結構 重要だと思っていて、最初はプレーヤーに
「花子さんは助けてあげるために斬るんだよ」という感じで説明しておいて、
後のほうになるにつれて徐々に「こういうのもあるよね」
「しょうがないよね」という感じにしています。


チューリップ戦
チューリップ戦


ボス戦の「扉を使って攻撃する」というシステムは
イラストのchiさんからの発案で出てきました。

恥ずかしながら最初はボス戦全部 格闘ゲームみたいに
攻撃の種類だけ変えるだけで良いかなーとか酷いこと考えてたんですが、
chiさんとキャラクターデザインの話をしていた時に
「トイレのドアからランダムに出てきて攻撃したら面白いよね」と言われて
そうだよ、アクションゲームってそういうものだよ! ―と目が覚めました。

他にも「リリはボールを打ってくるからそれを跳ね返して攻撃する」とか
「アザミは食器や鍋や食材を投げて攻撃してきて、金属の物は斬れない」とか
いろんなアイディアが出てはいたんですが、時間なくて作れなかったのが残念です。


「いじめられてた」という設定は最初「チューリップ」っていう
キラキラしすぎた名前が原因というコトにしてたんですが、
製作中にいつの間にか常にオドオドしてて主体性がなくて
何も言わないでも「あーこいつムカつくわー!」ってキャラになってたので
特別キャラ紹介でも触れませんでした;


ちなみに苗字の「木林」は「きりん」のもじりでした。
な、なんだってー!?

Maruchu